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漢方薬というと、白髪の老漢方医が、なにやら難しい顔をして、怪しげな薬草や動物の骨や木の実を調合するようなイメージがあります。
しかし、実は、薬局などでも簡単に手に入る薬なのです。風邪の初期に使う葛根湯、頻尿・尿漏れの治療薬である八味地黄丸、胃薬として安中散・芍薬甘草湯、便秘薬に使われる大黄など、普段何気なく買っている売薬の中にも漢方薬が含まれています。漢方薬は副作用が少なく、安心して使えるお薬なのです。
漢方薬というと高価なうえに、長期間のまなくてはならなくて、さらに保険が効かないと思っていらっしゃる方も多いようです。また、病院では処方できないと思って、わざわざ薬局で買っている方も少なくありません。
確かに、一つ一つ調合する漢方薬は保険診療の範囲外です。しかし、エキス剤と言って、粉薬のように、漢方薬の抽出物を顆粒状にして袋に小分けした製剤は、通常の薬と同様、病院で保険診療として処方できます。
漢方を使うと良い場合は以下のような場合です。
どちらかといえば、急性の疾患より慢性の疾患の方が漢方薬の適応となることが多いようです。また、西洋医薬との併用も可能なので、補い合いながら使うことができます。
漢方薬にも副作用があります。貴女の身体の状態(証)に合わない漢方薬をのめば、体調が悪くなることもあります。現在、漢方のエキス剤は130種類以上あり、この中から貴女に合うものを選ぶことが、漢方薬の処方となります。最初からぴったりのお薬が選べることもありますし、2・3回お薬を替えて、合うものを探すこともあります。漢方薬をのんでいるうちに体質が変わって、お薬を替えなくてはいけなくなることもあります。いずれにせよ、きちんと体調を診ながら処方することが大切です。
女性の場合は、生理痛・生理不順・片頭痛に冷え性・貧血・更年期障害など、現代医学でまだまだ解決していない、特有の疾患がたくさん。 確かに、低用量ピルやホルモン補充療法で治療が可能になってきましたが、やはり、副作用も心配。もちろん、症状が強ければ、西洋医薬を使う必要がありますが、それほどひどくない症状に、薬をのみ続けるのも不安です。そこで、漢方薬を使えば症状を緩和して、つらさも半減。体質改善にもなりますので、生涯にわたって女性にやさしい薬です。