妊娠をお考えの方へ

妊娠をお考えの方へ

妊娠は女性の一生の中で、非常に大きな意味を持った出来事の一つです。妊娠を考え始めたなら、赤ちゃんのために賢いお母さんになる準備を始めましょう。妊娠前から健康に注意することで、赤ちゃんを、妊娠中の様々な危険から守ることができます。また、積極的に妊娠前の健康管理をすることで、元気なマタニティーライフを送れることでしょう。

今かかっている病気について

糖尿病、高血圧、心血管疾患などがある方は、妊娠中にひどくなったり、胎児に影響を及ぼしたりすることがあります。妊娠中は、母体に強いストレスがかかりますので、治療を切り替える必要が出てくるかもしれません。現在、病気を治療中の方、経過観察中の方は、必ず主治医に妊娠する予定があることを告げて、妊娠した時にどのように対処するかを相談しておいてください。また産婦人科医と現在の主治医が連絡を取りながら経過を診る事が重要ですから、主治医と、どこの施設で出産をするのが一番良いかを相談しておくと良いでしょう。特に、糖尿病では、血糖がうまくコントロールできないと、胎児異常発生率は通常の2~3倍といわれています。妊娠を考える前に、まず、きちんと血糖の管理を心がけてください。さらに、喘息等のアレルギー疾患を治療中の場合は、妊娠によって3割くらいの方が増悪するといわれています。十分に主治医と妊娠中の治療について話し合っておきましょう。

現在使用中の薬は、病院で処方されたもの、薬局で買ったものにかかわらず、必ず名前を控えておきましょう。処方薬局で渡された、薬についての説明書などもとっておくと良いでしょう。

感染症について

妊娠初期検査として、梅毒や風疹、クラミジア、トキソプラズマ症の検査などが行われていますが、これらの検査は、妊娠前に確認しておかなければ、あまり意味はありません。妊娠中に風疹の抗体が無いことに気がついても、予防接種を受けることはできません。妊娠前なら、予防接種をして妊娠に備えることができます。また、その他の病気についても、治療のために、薬をのむ必要があります。検査をするまでの間は、未治療で経過することになりますし、治療するにしても、胎児への影響を心配しながら薬をのまなくてはいけません。それより、妊娠前に治療しておく方が、ずっと安心といえます。

今までの妊娠について

これまでに妊娠の経験がある方は、妊娠経過についてもう一度思い出してみてください。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や流産、早産、未熟児の出産や巨大児の出産、早期胎盤剥離や分娩後の出血など、異常があった場合には、どのような経過だったのかをできるだけ詳しく思い出しておいてください。帝王切開分娩をした方は、なぜ帝王切開になったのかを確かめておく必要があります。(前回の母子手帳が参考になります。)疾患によっては、次の妊娠の時も同じことになる場合があります。また、注意することによって避けられる疾患もありますので、産婦人科で相談してみると良いでしょう。

ご家族の健康状態

近い血縁の方に、遺伝性の疾患をお持ちの方がいらっしゃる場合、どのくらいの確率で疾患になるのかを知っておく必要があります。また、妊娠してから受ける出生前診断をどうするか、ご家族で話し合っておく必要があるでしょう。

ダイエット

過度の肥満は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の危険度を高めますし、分娩時に様々な合併症を起こすもとになります。しかし、妊娠してからダイエットをするのは勧められません。妊娠中は、バランスよくしっかりと栄養を取らねばなりませんし、過度な運動は早産や流産の危険を高めます。したがって、肥満傾向の方は、まず、妊娠前にダイエットを実践するべきでしょう。ダイエットといっても、自分の体に合った適正体重に近づけることが目的です。健康を考え、バランスの取れた食事をとりながら、ダイエットをしなければいけません。特に、妊娠すると便秘になりがちですから、野菜などは積極的に取るようにしたほうが良いでしょう。また、葉酸を一日に0.4㎎以上取ることは胎児の神経管異常を予防するといわれています。ただし、葉酸を取りすぎると多胎になる可能性が増えるという報告もありますので、サプリメントなどは使用しなくても良いでしょう。葉酸は緑黄色野菜や全粒粉を使ったパンやシリアル、柑橘類や柑橘類のジュース、ホルモンやレバー、ピーナツなどの豆類に多く含まれます。

運動

妊娠すると、急に運動を始める方がいらっしゃいますが、これは、体に急激な負担になるのでお勧めできません。妊娠前からやりなれた運動なら、妊娠中も続けることができます。妊娠中に運動を続けたいと考えている方は、妊娠前から始めておいたほうが良いでしょう。

お酒、タバコ

喫煙や飲酒の習慣がある方は、妊娠までに、必ず禁酒禁煙を実行してください。ご主人が喫煙される方は、副流煙(タバコから直接出る煙)を吸わないように工夫してください。副流煙を吸うと、たばこを吸ったのと同じくらい体に影響が出るといわれています。

お酒は、胎児の異常や生後の精神発育遅延の原因になるといわれています。また、タバコは子宮内胎児発育不全や前期破水、胎盤の異常、乳幼児突然死症候群の原因になるといわれています。これらの症状は、お酒やタバコの量にかかわらず起こる可能性がありますから、少しくらいならいいだろうという考えは捨ててください。

妊娠中の協力体制

妊娠をすれば、貴女は赤ちゃんを育てることに力を注がなければなりません。したがって、家族の協力が無ければ、妊娠も子育てもうまく行かなくなってしまうでしょう。また、子供を育てるということは、経済的にも大きな負担となります。妊娠する前に、皆で協力しながら一人の人間を育てていくのだということを、ご家族と十分に確認しておくことが大切です。さらに、仕事をされている方は、職場が、妊婦に対してどのくらい協力してくれるのかを、きちんと確認しておいてください。妊娠したならば、妊娠前と同じように働くのは無理だと考えておいたほうが良いでしょう。

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