出産できる方向に考えることがベストです。しかし、様々な事情により、妊娠を継続できない事があります。そういった場合は最後の手段を使うしかありません。
A
まず、病院を探しましょう。母体保護法指定を受けている病院で無ければ手術はできません。(古い病院では優生保護法と書いてあります)逆に、小さな診療所でも、母体保護法指定であれば、手術のできる施設があります。大学病院や公立病院などでは手術を行っていない所があります。また、大きな病院では、一泊の入院が必要になることが多いので、電話などで確認してみましょう。電話の確認では、貴女の今の状態などを聞かれる事がありますので、必ずご自分で電話をかけてください。
B
病院で妊娠を確認してください。超音波などで、子宮の中に妊娠している事を確認しないと、場合によっては、子宮外妊娠に気がつかない事があります。子宮外妊娠に気がつかないで進行すると、命にも関わるような大出血を起こします。
C
次に、手術についての説明を良く聞いてください。持病などがあると使えない薬があります。また、今使っている薬なども、きちんと医師に話しましょう。麻酔の薬と相互作用を起こす事もあります。手術には合併症が起こる事がありますので、きちんと聞いておきましょう。また、合併症が起ったときにどのような対処をするのか(特に、小さな診療所では、どこの病院と提携しているのか)聞いておきましょう。
D
中絶手術には、保険適応はありません。必ず、手術前の検査から術後の検査まで、自費診療となります。(ただし、手術による合併症などが起これば保険診療の適応となります)病院によって、差はありますが、だいたい10万円前後だと考えてください。その他に、術前や術後の検査料がかかります。
E
手術前には、様々な検査が必要です。とくに、手術によって出血などが考えられますので、貧血の検査や血液型の検査は必須といえます。また、麻酔を受けるために心電図の検査や、感染症の検査などを受けておく必要があるでしょう。何も検査をしない場合には、一応、貧血の検査と血液型の検査程度は、最低でもしてもらう方が安全です。 Rh(-)型の血液に気がつかないで手術をすると、その後の妊娠に影響が出る事があります。
F
手術の日に用意する物や、必要な準備を忘れないようにしましょう。とくに、母体保護法に従った承諾書がないと、どんな理由があっても手術はできません。必ず、忘れないようにしましょう。
G
手術が終わっても、次の日までは、安静が必要です。あまり、動き回ってしまうと、出血がひどくなる事があります。とくに、仕事などは休むように日程を組んでおきましょう。(会社に提出する診断書などは、公文書ですので、違う病名で書く事はできません。有給休暇などをとることをお勧めします)ピルをのむ予定がある場合には、早めに医師にご相談ください。術後一週間以内に内服を始めるのが効果的だといわれています。
H
手術後、必ず術後検診を受けてください。場合によっては、外に見えない出血が子宮の中にたまって、重症になっていることもあります。かならず、指定の日に、検診を受けて、術後経過が順調である事を確認してください。
I
手術の後、生理が起こるまでは1~2ヶ月かかるのが普通です。その間に不正出血や、軽い腹痛などが起る事がありますが、ひどい症状でなければ心配はいりません。